上司と部下の信頼関係が組織の業績を左右する|リーダーシップ・チャレンジ(1)

「リーダーシップチャレンジ(ジェームズ・M・クーゼス(著)、バリー・Z・ポズナー(著)、関 美和 (翻訳))」は、30年以上にわたり、共同でリーダーシップについて研究しています。

数千人のリーダーシップ経験を分析した結果、リーダーに必要な実践行動を見つけ出し、以下の模範的リーダーシップの5つの実践としてまとめました。
それらを実践することが最も重要であり、リーダーの行動がメンバーの献身・忠誠心・やる気・誇り・生産性に最も関係していることを見つけ出しました。

さらに5つの実践を行う基盤として、上司と部下の信頼関係が必須であることを述べています。
これを、リーダーシップの二つの法則として示しました。

  • リーダー(人々が喜んでついていきたいと思う人物)に、求められる特質には普遍性と一貫性が認められたため、これを「リーダーシップの第一法則」とする
    リーダーシップの第一法則:
    自分が信頼されていなければ、自分が伝えるメッセージも信頼されない。
  • 人に説いていることを自分でもしているリーダーになら、メンバーは自分の生計はもちろん、人生を委ねることさえもいとわないだろう。これは、信頼されるリーダーに成るためのシンプルな方法でもある。これを「リーダーシップの第二法則」としよう
    リーダーシップの第二法則:
    やるといったことは、必ずやり遂げる

そして、上司と部下の信頼関係が、部下の仕事に対する姿勢や業績に大きく影響するという調査結果がありました。その部分も、紹介します。

上司を信頼していないメンバーの傾向 上司を信頼しているメンバーの傾向
  • 監視されている時だけ働く
  • 金銭が主な動機付けとなっている
  • 表向きは組織を誉めるが、裏では非難する
  • 組織に問題が起きると転職を考える
  • 自分はサポートされていない、感謝されていないと感じる
  • 組織の一員であることを、誇りを持って周囲に伝えている
  • 組織に強い忠誠心を抱いている
  • 自分に価値観と組織の価値観は一致していると考えている
  • 組織に愛着を感じ、献身的に関わっている
  • 当事者意識がある

時に、上司が部下に対して「見ていないと怠ける」と感じていると言うことは、部下が上司を信頼していないことの現れでもあります。双方が信頼していない組織においては、ビジネスで継続的に成果を出すことは極めて難しいことです。

そのためにも、リーダーシップの第一法則と、第二法則を実践し、信頼に値するリーダーに成らなければなりません。

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