判断のための情報収集法|判断と決断(2)

正しい判断は、大量かつ多様な情報の収集から始まる


「判断」とは、現状を正しく把握することだ。その基本は、その事象に関して、あらゆるデータを大量かつ多様な視点で集めることから始まる。しかし、僕らは誘導尋問的に、一つ、二つの限られた側面からのデータ収集するだけで満足していることがある。正しい判断だけでは強い決断はできないが、正しい判断なしに強い決断はできない。正しい判断のために情報収集から始める。

情報収集の基本的なスタンス

  • 必要な情報とは、「判断の目的」によって異なる
  • 数値データや定量データ、過去に起こった事実に加え、それをさまざまな視点で解釈したものもあわせて情報ととらえる
  • 未来の方針、思想、価値観を持たずに情報を集める
  • 完全に客観的になるのは無理。擬似的な客観性を持つために、対象物から離れ、多様な視点で対象物を見る

他者の視点で情報収集をする方法・スタンス

  • 主体から離れ、客体の視点を持つために、他者の視点を借りる
  • 人、モノ、コトはすべて多面体である。自分が見ている見え方がすべて、という前提を捨てる
  • 自分が見えない視界を補うため、できるだけ多くの人から話を聞く
  • 人の話を聞くときには、「役割発言」に注意する
  • 人が持ち得る情報の量は、受け入れる度量の大きさに比例する。人の話は否定せず、一度は受け入れる
  • 話を聞けない人の場合、その人になり切って対象物を見る

自分の視点を変えて情報収集をする方法・スタンス

  • 過去に行って、「もう一回同じ状況になったとき、自分はどうするだろうか」と問い掛けて、過去を冷静に見る
  • あり得る未来をいくつか仮定して、対象物がどうなっているか、どのように行動・機能しているかを考える
  • 実績や年齢、人間関係など周辺情報に惑わされず、その人本来の姿をシンプルに見たいときには、その人と二人で「無人島」に行ったときを想像する
  • 自分の心理状態が常に安定していると過信せず、「違う心理状態だったらこれをどう見るか」と自問自答する

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