リーダーは冒険にでる。大胆なアイデアに挑戦し、リスクをとる。|リーダーシップ・チャレンジ(4)

第3の実践

プロセスに挑戦する (CHALLENGE THE PROCESS)


挑戦は偉業への扉を開く。変革のチャンスが存在するとき、人は大きな力を発揮する。現状維持では凡庸さしか育たない。
すぐれたリーダーは自分の能力を試せるような変革の機会を探し、それに挑戦する。彼らはメンバーを励まし、彼ら自身の限界をも超えさせる。すぐれたリーダーは、率先してことを起こす。そして、すべての仕事を冒険と考える。
ほとんどのイノベーションは、リーダーからは生まれない。その多くは、もっとも現場に近い人々から生まれる。あるいは外から訪れる。リーダーはあらゆる場所にアイディアを求める。外とのコミュニケーションをうながす。人々の声に耳をかたむけ、アドバイスを取り入れ、学びつづける。
進歩はー足飛びにやってはこない。それは段階的に実現するもだ。リーダーは小さな勝利を積み重ねながら、一歩ずつ進む。逆境を味方につけ、失敗を成功に変える。根性と決意をもち、最後までやり遂げる。
リーダーは冒険にでる。大胆なアイデアに挑戦し、リスクをとる。リスクテイクには間違いや失敗がつきものだが、それらを受け入れ、学習と成長の機会とする。

そのために、リーダが実践する原則が2つあります。

1) 自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する


「自発的に行動する」とは・・・
  • ことを起こす
    非凡なことを起こすリーダーは、どのようなアイデアも積極的に取り入れるよう努める。外の世界に目を向け、テクノロジー、政治、経済、人口動態、芸術、宗教、社会の環境をつねに観察し、新しいァイデアを探す。組織をとりまく環境が変化する中で、チャンスを模索しょうとァンテナをはる。すぐれたリーダーは、変化の波に乗るだけでなく、自分から波を起こし、メンバーをその波に乗せる。
  • 自発性を歓迎する
  • 目的をもって挑戦する
    歴史を変える必要はないが、現状は変革しなければならない。リーダーは自発的に行動し、つねに新しい取り組みを生みだすのが務めだ。リーダーとは、その言葉どおり、変化の前線に立っ存在であり、あとを追いかける存在ではない。居心地がよすぎるときには警戒が必要である。

「革新的な改善策を外部に求める」とは・・・
  • 知らない世界に目を向ける
    イノベーションとリーダーシップはほぼ同義語だ。慣れ親しんだやり方よりも、まだ試されていないものや未知のやり方に目を向けよう。成長と改善の機会を探すとき、もっともイノベーティブなアイデアは自分の中や組織の内部にはほとんどないことを知っておくべきである。
  • 社内外のコミュニケーションをうながす
    求めるアィデアは外部にある。最高のリーダーは周囲を見まわし、プレイクスルーが隠された場所を探しだす。リーダーには内を見る目よりも外を見る目が要求される。そこにこそ、未来がある。
  • アンテナをはる
  • どんな仕事も冒険だと考える
    変化の追究は冒険である。そのとき、あなたの意志と能力が試される。それは、困難ではあるが刺激的な体験である。人は逆境において、自分自身を発見する。自分とメンバーの最良の部分を引きだすには、仕事の意義と目的を理解することが不可欠だ。

「チャンスを模索する」ために、実践することは・・・
  • 「新しいもの、次にくるもの、よりよいものはなにか?」とつねに自間する
  • 今日が昨日よりもよくなるように、毎日なにかを改善する
  • 立ちどまらない。マンネリを避ける
  • 新しい環境に自分をおいてみる。少なくとも四半期に一度は、新しいプロジェクトに取り組む
  • 「いつもどおりのやり方」が本当に合理的かを考えてみる。もしそうでなければ、やり方を変える
  • 顧客(クライアント、サプライヤー、その他)に、自分(と会社)をどう改善すべきかを聞いてみる
  • 毎日ウェブで仕事に関連することを探す。また、仕事にまったく関係のないサイトを見てみる
  • 仕事がおもしろくなるしくみをつくる
  • 居心地のいい場所や自分の専門領域の外にでて、積極的にさまざまな経験をしてみる
  • 組織の外の人と話す。ほかの人にもそう勧める

2) 小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実験しながらリスクを取る


「小さな勝利を積み重ねる」とは・・・
  • たくましさを育てる
    変革はリーダーの仕事である。変革しなければ、リーダーではない。すぐれたリーダーはつねに向上と、成長と、イノベーションの方法を模索している。今日のやり方では夢見る明日に到達しないことを、リーダーは知っている。だから彼らは実験する。やり方を変えてみる。波乱を起こす。「なにをどのように変えられるか」と自問する。
  • 大きな課題を小さく分解する
    変化はときに人を圧倒し、怖がらせ、恐縮させるが、リーダーは、変化を乗り越えられる挑戦とみなす。自分の人生をコントロールし、結果を変えられると信じ、メンバーにもそう信じさせる。すぐれたリーダーは、変化の意義と目的をメンバーにはっきりと理解させ、強い使命感をいだかせることができる。
  • 小さな勝利を結果につなげる
    小さな勝利を重ねて、ものごとを正しい方向に導こう。仕事を分解し、短期目標を設定しよう。一度にひとつのことだけに挑戦しよう。実験し、市場テストをおこない、パイロットプロジェクトを試そう。小さな取り組みは人々にスタートを切らせ、前進させ、進歩を想像させ、努力を重ねさせ、勢いを生みだすはずだ。

「失敗から学ぶ」とは・・・
  • 学ぶことに熱中する
  • 学習しやすい組織に変える
    規模の大きさにかかわらず、新しいことを試せば必ず問題が起き、間違ったり失敗したりする。はじめからうまくいくことはない。二度めも三度めもうまくいかないかもしれない。だからこそリーダーは、学習しやすい環境をつくりだし、実験とリスクをとることを奨励し、失敗しても不利にならない文化をつくる。不利どころか、失敗は貴重な学習体験と見なす。実際、最高のリーダーは、最高の生徒である。
  • 打たれ強くなる
    リーダーには成長志向が必要である。学習と努力によってだれもが向上すると信じよう。すぐれたリーダーは、全員が成功と失敗を共有し、継続的な改善を習慣とするような、学習しやすい環境をつくりだしていく。それはまた、心のたくましさと打たれ強さを育てることでもある。

「実験しながらリスクをとる」ために、実践することは・・・
  • 仕事でも人生でも、自分でコントロールできることにメンバーを集中させる
  • メンバーに仕事の意義を伝え、日々の努力が結果にどれほど影響するかを理解させる
  • 自分を向上させる努力をつづければ、必ず充実感が得られることを教える
  • 大きなプロジェクトを実現可能な行動に分解し、小さな目標や節目を設定する
  • パイロットプロジェクトや市場テストなどを通して、つねに新しいアイデアを試す
  • 日々前進していることをみんなに知らせ、挫折は一時的であることを思い出させる
  • 失敗したときには、必ず「この経験からなにを学べるか?」と聞く
  • 成功と失敗を共有し、そこから学んだ教訓は記録し、広めていく
  • 大切なことや新しいことを学ぶ時間を毎日設ける。メンバーにもその機会を与える
  • この言葉を肝に銘じる。「けして実験をやめないこと」

今一度、以下の一節を再掲します。

リーダーは冒険にでる。大胆なアイデアに挑戦し、リスクをとる。リスクテイクには間違いや失敗がつきものだが、それらを受け入れ、学習と成長の機会とする。

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