キャリア開発に関する社員満足度を向上する(事例)

社員満足度を経営目標の一つとして設定し、その向上を図る取組を行っていました。ここ2-3年の課題として、キャリア開発に関する満足度が改善されていないことが課題として取り上げられました。原因を分析し、集中した情報提供とワークショップの実施により、満足度を向上させた事例を紹介します。

お客様


B社 人事部門

「働きやすく、働きがいのある会社」を目指しているB社は、社員満足度調査をその一つの指標として活用しています。人事部門ではその主管であり、各部門の活動を支援したり全社横断の活動を行ったりして「働きやすく、働きがいのある会社」の実現を目指していました。目標に達成していない項目について、人事部門として取組ことになりました。

課題


社員満足度調査におけるここ2-3年の課題として、キャリア開発に関する満足度が改善されていないことが取り上げられました。教育体系の整備や機会の拡大などを図ってきたものの従業員の中に十分に浸透せず、また将来のキャリアについて漠然とした不満を感じている社員が多くいることが分りました。
キャリア開発に関する社員満足度を向上することを目標に、変革を開始しました。


対策

はじめに、満足度の低い原因の分析から始めました。調査質問項目ごとの満足度を分析し、フリーコメントからキャリア開発に関するものを抜き出し内容を一つひとつ調べました。複数の社員フォーカスグループに対してのインタビューや、マネージャーへのインタビューも行いました。また、社員研修受講アンケートにキャリア開発に関する質問項目も追加し、データを集めました。これらの分析から原因として、1)現在あるキャリア開発の制度や情報が十分に伝わっていない、2)キャリア開発のプラン作成の方法がよく分からない、が挙げられました。この2点を解決すべく以下の対策を実施しました。

1)現状のキャリア開発の制度や情報の浸透
今までは、キャリア開発に関する制度や情報がいろいろなところに点在し、不連続に提供していました。それらをまとめて1冊のハンドブックにしました。ハンドブックには、キャリア開発の意義、実施スケジュールとプロセス、コンピテンシーとその開発方法、ツールの利用方法などの情報を集約しました。また、ハンドブックの配布に合わせて、イントラネットの再構築、メールマガジン形式でのキャリア開発情報の提供を集中して行うキャンペーンを3ヵ月間展開しました。キャリア開発の基盤であるコンピテンシーを印刷したマグカップなども作成し配布しました。

2)キャリア開発プラン作成のワークショップの実施
B社ではコンピテンシーを基盤にキャリア開発プランを作成することになっていました。しかし、実際のプラン作成やコミュニケーションではそれが十分に活用されず、結果として漠然とした不十分感が残っていました。そこで、コンピテンシーを共通の基盤としたキャリア開発プランを作成するワークショップを企画し実施しました。ワークショップでは、コンピテンシー別に、現在の業務での必要性、上司や同僚からの期待、将来のキャリア開発の希望の三つの視点で、個人のキャリア開発の必要性を検討し、開発プランを作成しました。この開発プランを上司とコミュニケーションすることで、素早く確実な実施が実現できました。

現在の業務での必要性、上司や同僚からの期待、将来のキャリア開発の希望で、キャリア開発の項目を考える
キャリア開発を考えるフレームワーク

成果


集中したキャンペーンの実施により、会社としてキャリア開発に対する思いや取組が社員に浸透しました。ワークショップの実施により、社員一人ひとりが自分自身で納得感のあるキャリア開発プランの作成を支援することができました。
これにより、キャリア開発に関する社員満足度のポイントが、対前年比で10ポイント改善し、目標を達成することができました。

キャリア開発に関する社員満足度の向上


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