管理職候補者の育成体系を構築する(事例)

設立3年のコールセンターにおいて組織の急激な拡大に対応するために、管理職候補者の育成が急務となりました。人事部門と現場部門長と連携し、管理職候補としての基礎スキルを習得するプログラムを企画・実施し、管理職を育成した事例を紹介します。

お客様


A社 人事部門

自社製品のサポートサービスを行うコールセンターを3年前に立ち上げたA社、立ち上げ当初は本社からの出向者が主体となり運営管理を行っていました。しかし、出向者の帰任時期を向かえ、現地採用の社員による運営管理体制へ移行する必要が出てきました。

課題


現地採用の人材は着実に育ってきているものの、立ち上げ間もないため体系的な教育やOJTの仕組みが定着しておらず、管理職としての必要なスキルや知識には、バラつきがありました。また組織構成上、入社経験の浅い者同士であり仲間意識は強いものの、リーダーシップを発揮し具体的な行動を起こす力強さに欠けていました。現場の部門長から相談を受けた人事部門は、体系的で効果的な育成プログラムの提供を行うことが必要となりました。
1年以内に、管理職として登用できる人材の育成を目標に、変革を開始しました。


対策


1) 育成体系の構築
A社には、新任管理職向けの教育は用意されていましたが、管理職候補を対象にした育成体系は有りませんでした。現場部門長の望む人材像やA社としての管理職の要件を基に、必要なスキルと知識を体系化し、以下の育成プログラムを用意しました。

管理職候補育成プログラム体系

2) インパクトマップの作成
本プログラムで最も注意したのが、学習した内容を確実に活動に結び付け、その結果を示すことでした。そこで、学習内容からビジネスへの影響までの関係を示すインパクトマップを、作成しました、このインパクトマップは、インプット(学習内容)、アクティビティ(学習後の具体的な行動)、アウトプット(期待される活動の結果)、アウトカム(結果から得られる成果)、インパクト(ビジネスや組織に与える影響・効果)の、関連を示したものです。これを、明確にすることで、学習をその場だけの一過性のイベントとしてではなく、ビジネスや組織に与える影響・効果のスタート地点と位置づけることが明確にできました。特に、自分の強化したい部分をインプットから、アウトプットまで明確にし、アクティビティを確実に実践することで、スキル取得と結果を達成することができました。

インパクトマップ

成果


対象者は、育成プログラムを通じ、管理職としての基礎を習得しました。また、本プログラムに参加することで管理職を目指す意識が生まれ、職場でもリーダーとしての意欲的な言動が見られました。対象者の半数が、1年以内に管理職やリーダー職に昇格しました。
お客様の組織課題を解決し、現地人材による運営管理体制の移行を実現できました。

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