お客様課題を把握し商談発掘力を強化する(事例)

製品単体の営業からソリューション営業へ拡大することが急務でした。営業要員の商談発掘力強化のために、研修とOJTを組み合わせたプログラムと、KPIにより営業活動を確認し支援することで、業績向上に貢献した事例を紹介します。

お客様


E社 法人営業部門

中堅クラスの法人のお客様に対して情報機器の販売を行っているE社、価格競争力と製品性能で市場シェアーを伸ばしてきました。さらに、戦略製品を投入しソリューション販売へと拡大するために、組織的な強化を行っていました。しかし、お客様との窓口となる営業要員の商談発掘力が弱く、そこがボトルネックとなっていました。

課題


従来製品は、価格と性能の優位性から売上を伸ばしていました。新たな戦略製品は、お客様のビジネス課題にそった視点でのヒアリングを行い、お客様の潜在ニーズを掘り起し商談にする「商談発掘力」が必要となるため、専門部隊を組織しプリセールス活動を行っていました。しかし、今後の更なるビジネスの拡大を考えると、第一線の営業要員が商談を発掘することが求められました。
業務向上プログラムを企画するに当たり、予めROI(Return On Investment:投資対効果)を設定しました。実際に発する費用の10倍の利益を出すことを目標に、変革を開始しました。


対策


1) 知識やスキルの育成
商談発掘力の強化にあたり、現場の営業活動のモニタリングや課題のヒアリングを実施し、以下の3点の知識とスキルの育成が必要であると分析しました。そして、そのための研修プログラムを提供しました。
育成する知識とスキル 提供した研修プログラム
戦略製品に関する知識 製品研修
お客様の課題やニーズを明確にするスキル 業界動向研修、顧客理解研修
二つを結び付けて商談を発掘するスキル 顧客理解研修

2)目的と目標の共有
業務向上プログラムを企画するに当たり、ROIを設定しました。これはプログラムの成果を具体的なビジネス結果として明確にする目的がありました。併せて、営業部門トップから対象の営業要員まで共通の認識を持つことができる目標を設定することも目的でした。ROIから利益目標を設定し、それから逆算して営業要員の行うべき活動をKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として設定しました。このKPIを営業部門トップと合意し、営業要員に目標達成のための活動として具体的に示しました。これにより、研修後に求められる利益目標とそのための活動を具体的に示しました。

3) PDCA実践による確認と対処
今回企画した「顧客理解研修」では、実際に営業要員が担当するお客様について分析を行い、商談を発掘するための戦略を立案します。研修後は、お客様の分析を上司とレビューし、商談発掘のための活動を行います。KPIの一つとして、お経様の分析を行い上司とレビューする活動を設定しました。KPIの達成状況を2週間サイクルのPDCA(Plan、Do、Check、Act)で確認し、未達成の対象者には、コーチングなどの対処を行い、活動を促しました。

4) 分析結果の共有と蓄積
対象者が分析したお客様の結果は、全員が参照できる環境を用意しました。これは、同業種のお客様の分析を効率的に行うためです。また、他社の課題やヒアリングの観点を共有することも、効果がありました。

業界動向研修、製品研修、顧客理解研修
商談発掘力の強化の対策

成果


今回の取組は、営業部員の3分の1を対象に実施しました。よって、業績向上プログラムの対象者と非対象者の二つのグループの営業成績を比較することで、成果を比較することができました。以下のグラフは、商談発掘数、売上、利益を、非対象者を100として、対象者のそれぞれの数値について2四半期の推移を示している。全ての結果において、目覚ましい伸長が見られました。そして、ROIについては、当初の予定の半分の期間で、達成しました。
その後、残りの対象者に対しても、同様の業務向上プログラムを実施し、お客様のビジネス拡大の基盤となる発掘力強化を実現できました。

商談発掘力の強化の成果


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