ゆとり世代の新入社員を迎えて

あと3ヵ月で新入社員を迎えます。

企業の教育部門の方は、これから新入社員研修の講師説明会や担任向けの説明会を企画されことと思います。

昨今の新入社員は、ゆとり世代と呼ばれ、その特徴や対応はインターネット上でも、様々に取り上げられています。ゆとり世代の特徴を研究する立教大学准教授の小島貴子氏は、以下の3点を特徴として挙げています。
  • 浅いコミュニケーションしかできない
  • 指示待ちで言われたことしかできない
  • 失敗を極端に恐れる
このようなゆとり世代の新入社員に対して、講師や担任、そして現場の上司や先輩はどの様に接し、指導すればよいか、参考になる記事を2件紹介します。




まず、その心構えについて神戸大学の金井壽宏教授の記事です。

1.ゆとり世代の人材育成(神戸大学大学院経営額研究科 教授 金井壽宏氏)


金井氏は、ピグマリオン効果を基に、次のように説明しています。

専門語で、世代集団のことをコホート集団というが、そのときどきの時代で、常に「最近の若いものは」と言われてきたものだ。

「ゆとり世代」というレッテルを付けることで、指導する側が、この世代はコミュニケーションがへたで、いわれたことしかしない。失敗を恐れる人達だと本気で思い込んでしまうと、そのことを意識して接することになるので、実際に、ますます口べたの指示待ちで、仕事にとことんチャレンジしない人に育っていくというわけである。

金井氏は、「若者はすばらしい」と思って接することが重要、と述べています。そして、新入社員を受け入れる側には、「カテゴリーやラベルで決めつけない」ことを、新入社員本人達には、「イニシアティブをとり、リーダーシップを発揮させる」ことの、2点を提言しています。

詳細は、こちらの記事を参照してください。


もう一つの記事は、「「ゆとり世代」を即戦力にする5つの極意」の著者の伊庭正康さんの記事です。こちらは、その指導方法について記事です。

2.「ゆとり世代」を即戦力にする5つの極意(株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏)


伊庭氏は、指導のポイントとして、以下の5つの極意を述べています。

  1. あえて「理屈」に付き合おう
    • 常識を前提とした説教は、リーダーの怠慢に過ぎないことを心得る。
    • 人を指導する立場になったら「言葉の定義」を考える習慣を持つ。(「仕事とは?」「真面目に頑張るとは?」「顧客志向とは?」など)
    • あえて若者の「理屈っぽさ」に付き合う。目線を合わせるのもリーダーの役割。
  2. 「貢献」欲求に火をつけよう
    • 競争を否定しない。チーム対抗にするなど貢献欲求を刺激する競争を設計する。
    • 縁の下の力持ちにキチンとスポットライトをあてるため、プロセスに目を凝らす。
  3. あえて、丁寧に教えないでおこう
    • あえて、丁寧にしない。
    • 失敗から学ばせる機会を作る。
  4. 一人ひとりに「WILL(意思)」を確かめよう
    • ミッションを付与する前に、彼らの「WILL」を把握しておく。
    • 相談に来た時は「WILL」を確かめる。
  5. 仕事の「意味づけ力」を鍛えよう

伊庭氏は、もう一つ今の若者は「絆」を大事にするので、「みなさん」と言うのではなく、「われわれ」と言うべきだとも述べています。彼らが動くのは、報酬より絆、義理より絆です。

詳細は、こちらの記事を参照してください。


以上、2つの記事をご紹介しましたが、これらの心構えや指導方法は、ゆとり世代に限らず、一人ひとりに対して向き合い育成する観点で、非常に有益な指摘だと思います。是非、新入社員の育成を担当する方に、読んでいただければと思います。

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