実行力不全 なぜ知識を行動に活かせないのか

業績向上サービスを実施していると、「知識を行動に活かせない」場面に出くわすことがあります。
この問題は、何も新しいことではなく、古くからある問題です。
そして、皆さんの多くが今までに、経験してこられたことでしょう。
「○○したら良いと分っていても、実際にはそれが実行されていない」というケースです。

この「「知識と行動のギャップ」問題を、組織行動論の世界的権威であるジェフリー・フェファー氏と、ロバート・I・サットン氏の2人が、豊富な事例やインタビューをもとに原因を突きとめ、その処方箋を「実行力不全 なぜ知識を行動に活かせないのか」の中で語っています。

原因として以下の五つを挙げています。
  1. 言葉が行動のかわりに成っている
  2. 具体的には、「話し合いの結果を実際に行ったかどうかを確かめるフォローアップが何も行われない」「計画立案、会議、レポート作成などがそれ自体重要な「行動」になっている。
    しかし、実際の行動には何の影響も与えていない」など、言葉のみで実行されないことが非常に多い。これは、組織の価値観が、結局は「泥臭い実行力より、スマートな発言が評価される」事などによるものだと述べています。

  3. 前例が思考を妨げる
  4. これは、過去の前例に無いことはそれを理由に、実行しない。または、未知の行動に対して、いちいち過去に照らし合わせて判断し、合意できるまで行動できないなど、組織風土が思考を妨げ、行動を鈍らせています。

  5. 恐怖心が行動をはばむ
  6. 行動により失敗した場合に、大きなペナルティーを課せられるため、それが恐怖心となり行動を阻んでしまうことが要因です。

  7. 評価方法が判断力を狂わせる
  8. 特に、最終結果のみを評価基準とし、行動によるプロセスを評価しないため進捗が示せない。または、多くの評価指標があり過ぎ、本当に必要な行動に注力できない。これは、管理者が現場をみずに、机上のデータや数値だけで評価する組織に見られます。

  9. 内部競争が敵をつくる
  10. 社内での競争に焦点が当てられ、自分が行動することではなく、同僚や相手の仕事を失敗させることで相対的に優位になる仕組みに成っている。若しくは、上司が部下を信頼せず、絶えず監視したり、他者と比較したりし、仕事に専念できないなどの状況が、適切な行動を起こせない要因になっています。
いずれも、個人の動機やスキルの問題と言うよりは、組織の風土や価値観、仕組みやシステムの問題と言えます。

業績向上サービスでは、研修などで個人の知識やスキルの向上を図っても、実際の職場で行動として起きないことを、個人の観点だけでなく、組織の観点からも原因分析をして、解決策を検討します。

その際に、上記の観点は大いに参考になります。

業績向上サービスの事例は、以下を参照ください。

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