自己組織化(1)

人材育成や組織開発の支援をさせて頂いている時、お客様からご依頼いただく達成目標は、「ビジネスの拡大」「業務の効率化」「若手の早期育成」「社員満足度の向上」など様々です。その目標を達成するために、お客様と共にプロジェクトを形成し活動させて頂きます。

しかし私には、もう一つの目標があります。
それは、お客様とのプロジェクトを通じてお客様を「自己組織化」することです。

「自己組織化」とは聞きなれない言葉かもしれないので、先ずは自己組織化のイメージを持っていただくために、三つの動画を紹介します。

1)大渋滞が発生した交差点(問題が発生した状態)
個々の車両が好き勝手に交差点に進入し、大渋滞を起こしています。
ここにいる全員の目的は、早く渋滞を解消しみんながスムーズに通行できることです。
しかしまったく組織化されておらず、何時になったら渋滞が解消するかさえ分りません。

2)警官の交通整理により渋滞が解消(リーダーシップにより組織化された状態)
警官(リーダー)の登場により、組織に統制が生まれました。
警官の交通整理に従うことで、スムーズに通行できるようになりました。

3)渋滞の起こらない交差点(自己組織化された状態)
これは信じられない光景です。
クラクションが鳴り響き、車、バイク、歩行者が好き勝手に交差点に進入しています。
しかし、最初の大渋滞とは全く異なり、スムーズに通行できています。
しかも、警官の交通整理が無いにも関わらずです。

私の考える「自己組織化」とは、三つ目の動画のイメージです。
 「一人ひとりが自らの判断で行動し、かつ組織として調和がとれ目的を達成している状態」です。

自己組織化された状態では、指示や命令に基づき一人ひとりが行動するのではなく、相互のコミュニケーションや自律的な判断に基づいて一人ひとりがなすべきこと行います。そして相互に調和しながら、組織全体としての目的を達成します。

このような自律的に行動する個人がチームで協調作業を行うことで, 変化への適応性が強くなるとされています。