決断を実現に結び付ける方法|判断と決断(5)

どう動くのか。何を言うのか。ストーリーとシナリオが決断を実現に導く


決断した。決断とはゴールを目指すことが前提である。つまり、実現に向けた行動を伴わなければ、それは決断とは言わない。しかし、やみくもに動いたところで、不確実な未来に僕らは翻弄されるだけだ。自らが下した決断を、シナリオとストーリーによって組織全体の動きに変える。ゴールに必ず辿り着くという信念を、シナリオとストーリーによって現実に変える。

「ストーリー」の意味と作り方

  • 決断の瞬間からゴールに至るまでの具体的な道のりを描いたもの、それがストーリーである
  • 起こり得る困難をストーリーに織り込んでおけば、くじけずに乗り越えることができる。困難を乗り越えるため、あらかじめそれに対処する術を準備しておく
  • 困難をゴールに向かう「線」上でとらえることで、「ここを乗り越えれば道が拓ける」と前向きに努力が続けられる
  • ストーリーは日常の仕事を「意味付け」し、メンバーのモチベーションを高めることにも活用できる
  • ストーリーは、決断とゴールの一貫性を保つ役割も担う
  • 困難には「最悪」かつ「現実的」な困難を織り込む。そのためには組織の現状とそれを取り巻く環境を理解することが重要である
  • 組織のスタイルを理解し、陥りやすい困難やその乗り越え方を想定してストーリーをつくる

「シナリオ」の意味と作り方

  • シナリオはストーリーを想定通りに運ぶようにするため、演出するためのツールである
  • シナリオをつくるには、ストーリーを実現するために、自らが、あるいは他者がどのような言動、行動を取るのが効果的かを考える
  • 組織をゴールに向けて鼓舞し、モチベーションを高めるための言動、行動はスタイルとブレがないようにする。普段の言動、行動とブレがあっては、心がこもらない
  • とはいえ、「スタイル発揮大会」ではないので、ゴールの実現のために必要であれば、自らのスタイルの調整も必要である

決断の失敗をどうとらえるか

  • ゴールが達成できなかったらすべてが失敗、という文化をつくることは重要である。そうでなければ「頑張ったからいい」という「負けグセ」がつく
  • しかし、実際には達成できなかったからすべてが失敗、達成できたからすべて成功というわけではない
  • 成功しても、失敗しても、どの決断が正しく、どの決断に誤りがあったのかを精査するための「振り返り」は重要。それが、メンバーたちの未来の糧になる

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